名義書換の際の入会書類には、印鑑証明書が必ず必要です。
ゴルフコースは印鑑証明書の有効期間を定めていて、だいたい発行後3ヶ月 長ければ6ヶ月有効としています。
ゴルフ会員権業者は、会員権を長期在庫しないのが常識です。ですから、発行から多少経過した印鑑証明書でも、取引には問題ありません。
ところが中には、長期在庫を覚悟の上で安い会員権を買いあさる 業者があります。
値の付かない預託金証券を2万円で買っても、未納年会費立替と取引手数料を 2万円とすれば、ロハで会員権が入手できます。こうして会員権を手に入れ、譲渡通知書を発行してコースに譲り受けたことを 通知します。
そして、放置された古新聞のように何年も寝かせておきます。
このようなコースはいずれ倒産します。そのときに預託金の一部が返金されることがあります。業者はそれを待っているわけです。懐を痛めずに棚からぼた餅が落ちるのを待つ、横着者の発想です。
意に反して値が付いたときには、あわててごみ溜めをひっくり返して 売りに出ます。このとき、譲渡人の印鑑証明書の日付が問題になります。
仕入はメンバーからとは限りません。業者から仕入れる場合、売った業者は買い叩かれて不愉快な上に、何ヶ月も経ってから印鑑証明書の再発行を させられることになります。場合によってはタダで。これでは、業界の鼻つまみ者になるのは当然です。
在庫と称して放り投げておくわけですから、印鑑証明書や戸籍謄本の現物を誰でも持ち去ることができます。
誰も管理しないので、探しても見つかりません。「タダだからいいか」となりますが、 証券は紙くず同然でも、印鑑証明書はごみじゃありません。